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◆ Vol.8 Tajin(タジン)を極めたい −タジンの周辺− September. 2003

あれは2001年も暮れる頃、Winmin+NutsがCafeでタジンについて地元民に疑問を投げかけたところ、ありゃりゃ周辺にいた人まで集まって私たちそっちのけで討論になってしまいました(笑) さすが暇な人たち・・・
その時の様子を思い出しながらのトピックです。

Tajin(タジン)といえばトンガリ帽子のテラコッタ製土鍋で煮込んだ料理。誰もがおいしいというタジンは、このテラコッタ製タジン鍋で野菜と肉、スパイスを水を加えず、炭火で長時間蒸し煮したもの。これは間違いなく本当においしい。
極寒の冬のモロッコでW+Nはかわいい模様のモロカン七厘(右写真)を買い、暖を取りながらタジンを作っていました。<<屋内ノマド。日本人としては鍋を火にかけたままの熱々を食べたい!とタジンを七厘に乗せたまま食べたりもしていましたが、コレにはモロッコ人も非常に驚いた様子(笑)

*モロッコでは圧力鍋もよく使われているけれど、圧力鍋で作られたものはタジンとは呼ばずココットと呼ばれている様子。料理を料理の名前ではなく調理鍋の名前で呼ぶ不思議(笑) 料理自体のどの辺が違うのかというと、タジンは野菜の水分(少量の水)で全体を蒸し煮にするため、全体に味がしみ込んだ煮物の様にはならない。それに対して、ココットは水を多めに仕様。どちらかというと煮物のよう。なのでここではココット=煮物と勝手に解釈することにします(笑)。ということは、タジン鍋以外で作ったものはタジンではないということらしい。なんだかややこしい。

Tajin鍋のいろいろ
タジン鍋のサイズは一人用から多人数用までさまざま。レストランやホテルではこの鍋で出されることが多い。家庭では圧力鍋を使ったココット(煮物)は、なぜかポピュラーなチャイニーズテイストの大皿でサーブされることが多い。 金属製から電気仕様まで、いろんなタジンを見てみたい→

ザイン
一番見かけるタイプのベーシックなタジン鍋は赤茶色の素朴なもの。写真のように少しデザインが施されているものもある。陶器の町などで見かけるカラフルでステキなデザインのタジン鍋は、実際に火にかけて使うことはなく、出来上がった料理を盛るための器であったり、または室内の装飾用だとか。壊れやすいのがその理由らしいが、釉薬との関係もあるかもしれない。

をつけて使おう
もともとテラコッタ製品は素朴な風合いが素敵で安いけれどもろいので、このタジン鍋を強火で使用するとすぐ割れる。使用する前に水に浸けるなどしてから弱火で使おう。Nuts愛用のタジンちゃん3人用一号は1ヵ月で真っ二つに。現在3人用二号と1人用一号を使用中。
スパイスCumin(クミン/カモン<アラビック>の位置

試行錯誤しながら作ったタジン一号は、料理としてはおいしいけれど、本当にこれがタジンなのかどうなのかちょっと不安。何しろ食べているのはW+Nだけだから確認の仕様がない。スパイスの種類や加減が今ひとつツカメナイ! そこでカフェにてどのスパイスをどのくらい入れるのか質問してみた。そもそも男達に聞くこと自体が間違っているともいえますが、なかなか女の人と話す(言葉の問題大)機会がないので妥協。そこでW+Nが一番驚いたことはタジンにクミンは入れないと90%の人が言ったこと。地域にもよるかも知れません、念のため。
  • 2001年某日某所のタジンにおけるクミン調査の結果
    1. ウチはタジンにクミンは絶対入れない
    2. クミンはストロングテイストなので、嫌いな人もいるよ
    3. クミンが好きな人は自分の食べるところだけにかければいいんだ
    4. タジンの中にトマトが見えたらクミンをかける
    5. 肉だけのタジン(例:牛肉とプルーンのタジンなど)の場合はクミンをふってもO.K
この時W+Nの周りは、かなり白熱した会話になっており、ヤツラは通りがかりの人にまで聞きだす始末。ありゃりゃ〜 なんかしてはいけない質問だった? と苦笑い。結局のところ、みんなでシェアして食べるタジンではありますが、その中の自分の陣地(笑)には、かなりパーソナルな部分が含まれているということが分かりました。それはたまに添えられてくるチリペッパーも同様でしょう。
*なんでこんなにクミンに拘ったかというと、W+N共にモロッコ料理には欠かせないスパイスだと思っていたから、毎日食べるタジンにこれが入っていないのは意外だった。
SPICE(スパイス)

タジンの作り方は比較的簡単だけれど、スパイスの具合、これが一番厄介。使用するのは下記。
  • ジンジャーパウダー
  • ブラックペッパー
  • パプリカ
  • サフラン<黄色い色をつけるだけのパウダーが主流>
  • クミン?
クミンは散々話題にしたけれど、本などのレシピを見ると入れている場合もあるので追加。ラスハヌスと呼ばれる、スパイス店で既に調合済みの種類別タジンやクスクス用のスパイスもあるが、今のところ実際使っているところをみた事はない。因みにモロッコのペッパーは強め。またサフランはスパイス店の他にも、ゴールドを売る店でも買える。ゴールドのアクセサリーと共に売られているのはそれだけサフランが高価だから。実際料理には色を着けるためだけの蛍光オレンジのような粉を使うことが多い。

その他に、ガーリックフレッシュパセリ or コリアンダーは金属製の鉢で潰され加えられる。チキンのタジンには*スムン(ストロングテイストのバター)が加えられることもあるそうだ。コクを出すためかな? これはちょっとチーズみたいなテイストのタジンになって不思議な感じ。
*Topic Vol.6 モロッコのローカルフードを参照









肉と野菜のンビネーション

タジンの中身の組み合わせは、何でも追求したがる向きにはなかなか難しいところ(苦)。店で食べるタジンはチキン、ビーフ、マトン、肉が違うだけで、入っている野菜の定番はポテト、ニンジン、玉ねぎトマトが入っていたりオリーブがのっていたり。タフロウト等ではアーモンドが入っていたりするけれど、前記のようなタジンと違ってどこでもというわけではない。

北へ行けばエビのタジンもあり、タジン鍋というよりスペインの土鍋カスエラのような器に入っていた。変わったところでは、ラクダ、ウサギ(高価らしい)も何かの機会に食べられるかもしれない。
※ラクダは筋っぽいけどいいストックになるのかおいしかった。ウサギは柔らかい鳥みたいな感じ。鳥とは違う匂いがする<<当たり前か(苦)

ご馳走になったものや教わったものの中には、例えばビーフ+プルーン+レーズンのタジンの場合は玉ねぎ以外の野菜は入らないとか、見た感じでは、野菜があまり沢山入っていないタジンにはフリットがのっていることが多いぞ等、一応何か定番の組み合わせというのがあるのでしょう。当然だよね、味噌汁だって定番の組み合わせがあるんだもの(笑)他にオクラズッキーニ、グリンピース、いんげん、そら豆、グリーンペッパードライフルーツプルーン、レーズン、アプリコット)などが具になるらしい。それこそ季節の野菜を2〜3種類くらい放り込めば良さそうだ。ちょっと苦しい展開・・・(苦)。

辛いものが好きな人は生のチリペッパーを1本くらい放り込んでスパイシーにしてもO.K。ハリッサ(唐辛子ペーストのようなもの)を添えてもおいしい。因みにモロッコで辛い料理に出会うことはほとんどない。
いろいろなジン

アーモンドチキンタジン
有名な?タフロウトのタジン。アーモンドの入ったタジンはとても香ばしく食感もたのしい。
オリーブがたくさんのタジン
モロッコのお宅でご馳走になると、ホブスがタジンの周りにぐるっと置かれる。
レモンチキンタジン
レモンを塩漬けにしたものが使われる。さっぱりさわやかなタジン。
ケフタタジン
ミートボールのタジン。野菜は玉ねぎとトマトくらいしか入っていない。
プルーンとレーズンのタジン
甘酸っぱくてとろけるような肉とドライフルーツがたまりません。
夏野菜のタジン
ズッキーニ、カボチャ、オクラ(モロヘイヤ)等が入ったやさしい食感のタジン
さてさてジンを作ってみよう

ここまで来たら作ってみなきゃ始まらない。材料を適当に鍋に放り込んでも何とかそれらしい味になるのがタジン(笑)。但しモロッコの野菜は強固なのでガンガン煮てもあまり煮崩れしないのに、日本で同じように作ったらドロドロになってしまう。肉と野菜の時間差攻撃が必要です。それから日本の野菜はみんな甘いのでタジンも甘めに仕上がってしまう・・・。スパイス等で調整しましょう。

り方の基本は?
いろいろなところで作り方を見たけれど、本当にひとそれぞれで、どれが本当なんてことはないような気がする。肉ひとつ取っても、ある人は肉をマリネにしてから炒めたり、そのまま何もせずに炒める人、胡椒や塩を振ってから炒める人、炒めながらスパイスも振ってしまう人、野菜を時間差攻撃で入れる人、最初からまとめていれちゃう人、水分が多めのタジン、ソース状にとろっとしたタジン。どうもカレー作りに似ているぞ(笑) Nutsも全て気分次第、入れるものも冷蔵庫の気分次第。

◆さて下記はNutsがお気に入りのタジンでございます。Let's try to cook!
クッキングと食事のためのりつけ
タジンは写真をみても分かるとおり、長めに切った野菜を放射状に美しく並べるのが基本のようです。タジン鍋で作るときは最初からできあがりを予想して野菜を配置します。当然タジン鍋の形状を考慮すると、そうしないと全部入りきらない等の不都合が生じるからでしょう。肉を必ず真中に、その上と周りに野菜を盛ります。

待ってました、さぁべよう!
 さてまずはビスミッラー! 野菜からスタート。主人がちぎり分けたホブス(丸いパン)をさらに一口大にちぎって、野菜やソースをうまく包み浸し口に運ぼう。レストランだとフォークが添えられたりしていますが、お呼ばれする機会などあれば気分を出して手でいきたいところです。食べ方ひとつで味も違って感じるから不思議。箸で寿司を食べるより手で食べるほうが絶対おいしいと思うでしょ? これって手で食べる習慣のない国の人には解らないんじゃないかしらん、と思いませんか?

  一通り野菜が済んだらホストが固まりの肉を手で分けてくれるので続けて食べましょう。なぜか肉は野菜が少なくなってから食べ始める。周りの人曰く、小さい頃からそのように食べているから習慣であるとか、みんな肉が好きだけどお金持ちの国じゃないからはじめに野菜から食べて腹ごなし、等ということらしいのですが実際のところはよくわかりません。知っている方がいましたら教えてください。確かにホストはテーブルを囲んだ人が同じように食べられるようにサーブしているよう。大皿に盛られたタジンは一見"おぉ〜"と思うけれど、実際食べている量はそれほどでもないような気がします。ハムドゥッラー。
※おまけ
タジンに欠かせないブス
この丸いパンもアナドレナイ! 何しろいろいろな種類があるもの(笑) 他の国のパンと同じように使用する粉の違いで色や食感もだいぶ違う。形は丸だけど大きさもいろいろ。40cmくらいあるような超特大ホブスにお目にかかることもある。商店でも買えるので、旅の途中で自作サンドイッチも可能。パン屋さん?がある時間になると商店に配達に来るので、その時間を狙うと焼きたてパリパリのフワフワを味わうことができる。味はいたって素朴。

家庭では女の人が大きな器に粉、イースト、水、などで生地を作り、モロッコオーブン(とっても簡素だけどキュート♪)で焼き上げる。もしくは近所の釜に持っていって焼いてもらう。


なんだかすごく長くなった。意外と奥深いタジン、いかがでしたか? すっかり食べ物の話題ばかりのこのサイトなのに、実はタジンに関しては今まであまり多くを語っていません(笑)。一番身近で割と簡単に作れるのに、味噌汁やカレーのように奥が深すぎてトピックにできなかった。ふ〜。でも聞けば聞くほどタジンは味噌汁やカレーに似ていると思うようになった。具の組み合わせや使う味噌が各家庭で違うように(味噌やダシだってミックスするもんね)タジンにも一応の決まりはあるもののバリエーションは無限と思われる。だから面白いんだよね。

タジン作りは試行錯誤した結果、タジン5号くらいでモロッコ人に味見してもらうことができた。外国人作のタジンを恐るおそる口に入れた人も、構わずバクバク食べ始めた人も笑顔、皿は舐めたようにキレイになったので、上出来としよう(笑)。そして彼らから
美味しければそれでいいんだよとありがたいお言葉も頂きました。そうそう料理なんて皆がおいしく食べられればいいんだよね♪と勝手に納得して終わりましょう。

いつか機会があればもっとディープに探ってみたいと思います。自己満足のために(笑)。こんな組み合わせのタジンがおいしかったよとか、これはいただけない(苦)とか、クミンについて一こと言わせて!等などありましたらメールでもメッセージボードにでも寄せてくださいませ。そうそう自慢のタジンレシピなんかあったら是非聞きたいです♪
※尚、トピックに関しては個人の独断と偏見であり、地域性など深く考慮しておりませんのでご了承下さい。
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